2011年09月12日
ドラマ「テンペスト」を衣装から楽しむ 衣装の形態その3
ドラマの中で、真鶴が着用している袷を見て、思ったことがあります。
「この紅型の型紙は、存在する色んな衣装で、使用されているデザインだな~」
「この紅型の型紙は、存在する色んな衣装で、使用されているデザインだな~」
この真鶴の衣装は、小泉清子さんによる時代考証のもと、沖縄の工房で染められたようです。
前回、素材によっても衣装の形態が変化したというお話をいたしましたが
木綿黄色地菊牡丹雲尾長鳥菊垣根文様紅型(東京国立博物館蔵)
苧麻白地霞尾長鳥牡丹菖蒲文様紅型(日本民藝館蔵)
平絹白地牡丹尾長鳥燕鶴菖蒲文様紅型(那覇市歴史博物館蔵)
琉装の形態が判るように、素材の名称を、あえて一番初めに書いてみました。
上記の衣装は全て単仕立てになっていますが、素材によって趣が変わりますね。
木綿地は、袖丈も短く、ワチスビというマチがついています。
苧麻地も、同じくワチスビがありますが、袖丈は木綿地より長めです。
平絹地は、振袖になっているのでワチスビはありません。
また、肩から腰あたりまでは、3枚とも同じ紅型の文様ですが
腰から裾にかけては、別の文様になっており
このような型紙の置き方を、鎖大紋様型と染物の工房は呼んでいます。
(尚家内では、このような呼び名は無かったと言われています。)
鎖大紋様型(クサイウフムユウガタ)
1枚の型紙の繰り返しによる染でなく、何枚かの型紙を繋ぎ文様を構成する方法で
王族・上級士族の晴着として、或いは舞台衣装のみに許されたそうです。
その他にも、型紙に見られる特徴があり、下記のように7つの種類に分かれています。
1 鎖大紋様型(10枚以上の型紙を使い絵羽付けをする)
2 二段型付け(肩と裾が異なる大文様)
3 三段型付(肩・腰・裾で異なる大文様)
4 大文様(一枚の型紙を連続させる)
5 中手文様(一枚の型紙を連続させる)
6 細文様(一枚の型紙を連続させる)
7 朧型(おぼろがた)(二枚の異なる型紙を連続して重ねて染める)
ここで言う大文様、中手紋様、細紋様は型紙の大きさです。
型紙は紙の大きさによって、大紋様(全紙大)、中手紋様(全紙の1/2)
細紋様(全紙の1/4)にわかれています。
1枚の紅型の型紙が、素材・衣服の形態・型紙の配置によって
色んな趣が出てくるのは、とても面白いし素敵ですね。
Posted by まーりー at 12:10│Comments(1)
│ドラマ「テンペスト」を楽しむ
この記事へのコメント
きゃあ~(*^0^*)
やっぱ!まぁり~だったのね。
ご活躍ぶりは いろいろ 情報はいってます。
元気そうで!!
何年も ご無沙汰してますが・・・また そのうち!!
やっぱ!まぁり~だったのね。
ご活躍ぶりは いろいろ 情報はいってます。
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Posted by くがに屋 at 2011年12月02日 14:00